軽貨物ドライバー
黒ナンバー(軽貨物)の任意保険を取り扱っている保険会社と保険料
「黒ナンバー」とは、貨物軽自動車運送業で使用している軽自動車の黒色ナンバープレートのことを指します。
現在運送業は業界全体で人手不足に陥っているため、個人事業としても需要が高く、今後も黒ナンバーを取得する人は増えると予想されます。
黒ナンバーを使って軽貨物ドライバーとして働く際には、加入が義務付けられている「自賠責保険」以外にも、「任意保険」への加入が推奨されています。
任意保険は強制ではありませんが、黒ナンバーの車両を使うのであれば、万が一のことを考えて加入することがおすすめです。
この記事では、黒ナンバー(軽貨物)の任意保険の詳細と、取り扱っている保険会社や保険料について解説します。
黒ナンバーを取得するのであれば、事前に任意保険について確認しておきましょう。
黒ナンバー(軽貨物)の利用者は任意保険に入るべきか
黒ナンバー(軽貨物)を使って事業をするのであれば、基本的に任意保険への加入は推奨されます。
黒ナンバーは自家用車と比較して走行距離が長くなるため、交通事故などのリスクは高くなると考えられます。
そのため、事前に任意保険に加入して、想定される賠償責任の可能性をカバーできるように備えておくべきでしょう。
加入が義務付けられている自賠責保険でも、万が一の際に補償を受けることは可能ですが、補償範囲が対人事故のみに限定されているため、車両や物損の場合は自分で損害分を負担しなければなりません。
また、自賠責保険は補償範囲となっている金額も限定的で、十分な補償を受けられない可能性もあるので、事故の内容によっては補償範囲を上回る損害賠償額を請求されてしまい、自分で不足している金額を支払わなければならない可能性もあります。
黒ナンバー(軽貨物)の利用時は自賠責保険だけでなく、任意保険に加入して補償される範囲を拡大することがおすすめです。
黒ナンバー(軽貨物)の任意保険の特徴
黒ナンバー(軽貨物)で利用できる任意保険には、自家用車の場合といくつか違う特徴があります。
以下を参考に、黒ナンバー(軽貨物)の任意保険ならではの特徴を確認してみましょう。
特約がないため価格相場が高い
黒ナンバー(軽貨物)の任意保険には特約による割引がないことが多いため、保険料の相場が通常よりも高い傾向にあります。
自家用車の自動車保険のように、年齢や運転実績による料金の割引きがないので、どうしてもコストは高くなってしまいます。
黒ナンバーの保険料は一般的な自動車の保険料と比較して、2〜3倍程度の価格相場が想定されます。
具体的には、月々の支払いが1万円以上になるケースも多いです。
保険会社によって保険料は異なりますが、相場の目安として1万円以上を想定しておくといいでしょう。
黒ナンバー(軽貨物)の任意保険を取り扱っている保険会社が少ない
黒ナンバー(軽貨物)の任意保険を取り扱う保険会社は少なく、選択肢が限られている点も特徴です。
基本的に通販型自動車保険では取り扱われておらず、一部の大手自動車保険会社のみ対応しています。
「多くの商品のなかから自分にぴったりの保険を選ぶ」といったことは難しく、ある程度の妥協が必要になります。
保険料の安さが特徴の通販型自動車保険が任意保険を取り扱っていないことは、黒ナンバー(軽貨物)特有の保険料の相場の高さにも影響しています。
また、インターネット経由での契約ができないため、黒ナンバー(軽貨物)を使う際には保険会社の実店舗へ出向く必要がります。
黒ナンバー(軽貨物)の任意保険を取り扱っている保険会社
現在、黒ナンバー(軽貨物)の任意保険を取り扱っている保険会社は下記の6社です。
- 東京海上日動
- 三井住友海上
- 損保ジャパン日本興亜
- あいおいニッセイ
- 楽天損害保険
- AIG損害保険
人気の通販型自動車保険会社であるソニー損保、アクサダイレクト、チューリッヒには、黒ナンバーの任意保険はありません。
各保険会社のホームページや請求資料を参考に、各社の保険料や契約の詳細を確認・比較して自身で納得のいくものを選ぶのがおすすめです。
黒ナンバーの任意保険を取り扱っている保険会社は少ないですが、保険内容の比較・検討は多くても6社で済むので自家用車の保険よりも保険会社選びに時間をかけずに済みます。
黒ナンバー(軽貨物)の任意保険の保険料について
黒ナンバー(軽貨物)の任意保険の保険料は、6等級の場合で月々約1万円~1万5千円程度となっています。
1年間で12〜18万円程度の支払いが必要になると考えられるので、事前に必要な出費として計算しておくことがおすすめです。
契約する保険会社や等級に合わせて金額が変動するので、任意保険を契約する際には、まず各社で見積もりを行って具体的な相場を確認し、納得のいく料金を探すことがポイントです。
契約方法次第で保険料は安く抑えられる
黒ナンバー(軽貨物)の任意保険料は、契約方法次第で安く抑えられるケースがあります。
例えば以下のような契約方法を活用することで、安い保険料で契約できる可能性があるでしょう。
・フリート契約:保有中の自動車の数が10台以上となる場合に契約可能な保険で、保険会社によって70%~80%の程度の割引が可能
・ミニフリート契約:保有中の自動車が2台以上の場合に契約ができ、台数に合わせて割引が適用される(自家用車も含まれる)
→2台なら30%、3〜5台なら40%、6台以上なら60%程度の割引が相場
黒ナンバーの保有台数によって保険料が変動するため、事業規模が大きくなるほどコストを安く抑えられます。
複数台の自動車を使って黒ナンバーの事業を行う場合には、フリート契約やミニフリート契約も検討してみてください。
まとめ
黒ナンバー(軽貨物)の任意保険は、自家用車の任意保険とさまざまな面で違いがあります。
保険料の相場や取り扱い保険会社などが異なるだけでなく、等級を引き継げないなど、黒ナンバー(軽貨物)ならではのルールがあるので、事前に契約内容をよく確認しておくことがおすすめです。
黒ナンバー(軽貨物)の任意保険は強制ではないものの、基本的には加入が推奨されています。
万が一事故が起きた際に自己負担額が大きくならないように、早めに加入する保険会社の選定を進めておきましょう。
参考
- https://www.logizo.co.jp/post/20200522
- http://www.mag2market.com/黒ナンバー可能な自動車保険会社/
- https://sagawa-story.com/black_number
- https://hataplu.jp/blog/軽貨物車両の「自動車保険」は何を基準に選べば/
- https://progiment.co.jp/archive/faq/faq6/
- https://media.cb-cloud.com/post/黒ナンバーは任意保険に加入?
- https://www.foodrestaurant-show.jp/
- https://jidoushahoken-navi.com/blacknumber-hoken/