宅配・軽貨物の基礎知識
「貨物軽自動車運送事業運賃料金表」とは?書き方を分かりやすく解説
貨物軽自動車運送事業運賃料金表は、軽自動車を使用して個人で運送事業を行う際に必要な書類の1つです。
この記事では、個人で軽自動車運送事業の開業を考えている方向けに、貨物軽自動車運送事業運賃料金表の書き方について解説します。
それでは、貨物軽自動車運送事業運賃料金表の書き方についてみていきましょう。
黒ナンバーと貨物軽自動車運送事業運賃料金表
黒ナンバーを取得する際に、必要な書類である貨物軽自動車運送事業運賃料金表。
ここでは、そもそも黒ナンバーとは何か?貨物軽自動車運送事業運賃料金表とは何かについて説明します。
黒ナンバーとは?
黒ナンバーとは、黒地に黄色文字のナンバープレートで、営業用として使用する軽貨物車のナンバープレートです。
例えば、配達業者の業務委託や郵便屋等があり、軽自動車を使って会社やお客様から報酬をもらう業務を行う場合に黒ナンバーの付いた軽貨物車が必要になります。
車を使用して報酬をもらう仕事というと緑ナンバーも該当しますが、黒ナンバーと緑ナンバーでは、車の排気量と事業内容に違いがあります。
黒ナンバーが営業用の軽貨物車に付けるのに対し、普通車以上の排気量の車に付けるナンバープレートが緑ナンバーです。
また、事業内容においては、黒ナンバーが「貨物軽自動車運送事業」なのに対し、緑ナンバーは「旅客自動車運送事業」と「貨物自動車運送事業」の2つがあり、タクシーや高速バスなどは緑ナンバーに該当します。
貨物軽自動車運送事業運賃料金表とは?
貨物軽自動車運送事業運賃料金表とは、黒ナンバーを取得するために必要な運輸局に提出する書類の1つです。
貨物軽自動車運送事業を個人ではじめ、軽貨物ドライバーとして仕事を請け負う場合、荷物主に対して運賃を提示しなければいけません。
そのため、貨物軽自動車運送事業運賃料金表は、運賃に関する記入事項があり、それぞれを記入して荷物主に対して運賃を提示できるようになっています。
貨物軽自動車運送事業運賃料金表の書き方
貨物軽自動車運送事業運賃料金表は、荷物主に対して運賃を提示するために必要な書類です。
各都道府県によって、雛形が用意されている場合もありますので、そちらも参考にしてみて下さい。
- 距離制運賃表
距離制料金は、荷物の届け先までの距離によって変動する料金です。
10kmまでを1,600円とし、以降1kmごとに160円加算されます。
また、50kmを超えた場合は1kmごとに130円増加し、100kmを超えると1kmごとに100円増加します。
下部に記載している「距離制運賃表グラフ」を参考に確認してください。 - 時間制運賃表
時間制料金は、荷物を届けるまでの時間で報酬が決まります。
基本料金を4時間40km7,600円と8時間80km14,400円と設定し、10kmまたは1時間増えるごとに加算額を設定します。 - 諸料金
諸料金とは、積み込みや積み降ろし、待機の際に発生する料金を設定します。
例えば、積み込みの場合15分ごとに400円とし、30分以上待機が必要な場合は、30分経過後30分毎800円にするといった感じです。 - 運賃割増率
運賃割増率は、配達する物によって料金をどれくらい割増するかを記入します。
届ける荷物の中には、危険品や易損品、貴重品・高価品など、通常配達よりも慎重に扱わなければいけない物もあります。
そのため、予め通常配達よりも割増した料金設定をしましょう。 - 冬期割増
配達する地域によっては、冬期割増料金が適用されます。
冬に雪の降る地域では、通常よりも交通の便が悪くなることもあります。
そのため、雪が多い地域の冬の期間には、割増料金を設定します。 - 休日割増、深夜・早朝割増の設定
運送事業を個人で請け負う場合、冬期割増以外にも、休日、深夜・早朝割増も適用されます。
・「休日割増」:日曜祝祭日に限る
・「深夜・早朝割増」:22時から朝5:00までに配達した距離
運送会社に勤める人の多くは、休日や深夜・早朝割増がありません。
しかし、個人で運送事業を営む場合には、休日、深夜・早朝割増が適用されます。
「平日の日中は仕事でいないから」という理由で、日曜日や祝日に配達を希望するお客様もいるため、休日、深夜・早朝割増を上手く利用しましょう。
距離制運賃表グラフ
10km | 単価160円 | 1,600円 |
20km | 単価160円 | 3,200円 |
30km | 単価160円 | 4,800円 |
40km | 単価160円 | 6,400円 |
50km | 単価160円 | 8,000円 |
60km | 単価130円 | 9,300円 |
70km | 単価130円 | 10,600円 |
80km | 単価130円 | 11,900円 |
90km | 単価130円 | 13,200円 |
100km | 単価130円 | 14,500円 |
101km | 単価100円 | 14,600円 |
まとめ
個人で運送事業を開業する際に運輸局に提出しなければいけない貨物軽自動車運送事業運賃料金表。
貨物軽自動車運送事業運賃料金表には、通常の運送会社の従業員とは違い、「休日割増」「深夜・早朝割増」など個人事業主特有の制度が適用されています。
それらを上手く活用することで、より多くの報酬を得ることが可能です。
各項目を記入する際は、各都道府県によって相場やひな形で記載例が載っている場合もあるため、今回の記事やそれらを参考に、貨物軽自動車運送事業運賃料金表を記入してみてください。