宅配・軽貨物の基礎知識
「軽貨物自動車運送事業経営届出書」とは?書き方を分かりやすく解説
貨物軽自動車運送事業を開業するためには、以下の3つの届出が必要です。
- 貨物軽自動車運送事業経営届出書
- 運賃料金設定届出書
- 事業用自動車等連絡書
その中でも今回は、「貨物軽自動車運送事業経営届出書」について解説していきます。
黒ナンバーを取得して軽貨物ドライバーとして開業・独立を目指す人にとっては、必ず提出しなければいけない重要な書類です。
これから軽貨物ドライバーとして独立を目指す人や雇用主に向け、貨物軽自動車運送事業経営届出書の書き方について解説します。
貨物軽自動車運送事業経営届出書とは?
貨物軽自動車運送事業経営届出書とは、貨物自動車運送事業法第2条「他人の需要に応じ、有償で、自動車を使用して貨物を運送する事業」の経営を行うため必要な届出書です。
貨物軽自動車運送事業を経営するには大きく分けて6つの要件があり、貨物軽自動車運送事業経営届出書にはその6つの要件を満たしているかを確認するための項目が設けられています。
- 車庫から2km圏内に営業所・休憩施設・睡眠施設がある
- 営業所から2km圏内に車庫があり、都市計画法などに違反していない
- 車検証の用途欄に「貨物」と記載さていている軽貨物自動車
- 適切な運送約款
- 適切な運行管理体制の整備
- 損害賠償能力
貨物軽自動車運送事業経営届出書はどこで申請するの?
貨物軽自動車運送事業経営届出書は、会社又は個人の所在地を管轄する運輸支局に提出します。
会社や営業所が東京にある場合は関東運輸局東京運輸支局に提出し、神奈川県の場合は関東運輸局神奈川運輸支局です。
もちろん、貨物軽自動車運送事業を開業する上で必要な「運賃料金設定届出書」や「事業用自動車等連絡書」などの書類も貨物軽自動車運送事業経営届出書と同時に運輸支局に提出します。
貨物軽自動車運送事業経営届出書の書き方
- 事業をはじめる予定日を記載します。事業を開始する日が決まっている場合はその日付を記載し、決まっていない場合は、開始予定日や提出する日を記載します。
- 氏名又は、会社名、代表者名、会社の住所、電話番号を記載します。
- 事業で使用する自動車を配置する営業所名と住所を記載します。
個人事業主の場合は「〇〇本店」「〇〇商事」「〇〇運送」などと記載すれば問題ありません。 - 事業で使用する業務用自動車の車種と種類別の台数を記載します。
車種や種類などは車検証を確認するといいでしょう。 - 事業で使用する自動車の車庫の住所、営業所までの距離、車庫の面積を記載します。
駐車場の住所が②で記載した住所と同じ場合は、「□住所に同じ」にレ点を記入します。
普通乗用車に必要な駐車場の面積は約15㎡です。 - 乗務員の休憩・睡眠施設の住所と面積を記載します。
⑤同様、住所と同じ場合は、「□住所に同じ」にレ点を記入します。 - 該当する運動約款にレ点を記入します。運送約款は荷物を運ぶ際の契約条件です。
お客様との細かい取り決めを、申請前に提出することが義務付けられています。
貨物軽自動車運送事業を経営したい場合は、「標準貨物軽自動車運送約款」にレ点を記入します。 - 営業所の住所と運行管理責任者氏名を記載します。
- 使用する貨物軽自動車車庫の使用権原があることを確認し、車庫の土地や建物が関係法令を遵守しているかを確認します。
確認後、□にレ点を記入。提出日と住所・氏名の記載と最後に押印して完了です。
貨物軽自動車運送事業経営届出書の再発行はできる?
貨物軽自動車運送事業経営届出書を紛失してしまった場合、再発行はできません。
しかし、その代わりに運輸支局輸送担当に「証明願」を提出することで、貨物軽自動車運送事業を経営する者として届出がなされていることを証明する書類を取得することができます。
貨物軽自動車運送事業経営届出書は、アマゾンフレックスなどの委託ドライバーとして働く場合など、提出が必要になることが多々あります。
軽貨物ドライバーとして開業した際は、貨物軽自動車運送事業経営届出書の控えを必ず保管しておきましょう。
まとめ
黒ナンバーを取得するために提出が必要な書類「貨物軽自動車運送事業経営届出書」には貨物軽自動車運送事業を始める上で満たすべき6つの課題に沿って記載項目が設けられています。
貨物軽自動車運送事業経営届出書は、提出後も必要になることが多い書類であるため、大切に保管し、くれぐれもなくさないよう注意しましょう。